阿久根市は、鹿児島県北西部の海沿いに位置し、美しい自然に恵まれた人口約2万人のまちである。
市民交流センターは、老朽化した市民会館の代替施設であり、541席のホールと5室の交流室などで構成されている。また、二期工事で図書館が併設される予定である。
ホールの配置は、通常とは逆にロビー側に舞台を配置し、下手側の舞台脇に設けた客席動線に可変性を持たせることにより、特殊な舞台形式や特別な客席の設置など、様々な劇空間の構成を可能にしている。それに呼応して、客席は非対称で、渦巻きのように立体的に空間を包み込んでいる。ホールの内装は躯体そのものであり、音の響きを配慮したワンボックス型の大空間としている。その構造体の中に幕類やスポットライトなど、劇場利用のための装置が組み込まれている。日常的な利用促進のために、積極的に外光を採り入れ、外部や図書館から活動の様子がのぞき込めるようにしている。
世界中で唯一の、ここにしかない個性を持つ施設の計画を進めるに当たっては、何度も市民ワークショップを開催し、模型を使った丁寧な説明を行い、合意形成を図った。併せて、管理運営計画策定支援も行い、ホール機能を最大限発揮できるように、開館後の管理運営方法の検討についても協力を行っている。
建築概要
- 所在地
- 鹿児島県阿久根市 MAP
- 設計者
- 古谷誠章+NASCA
- 開館年
- 2018年
- 延床面積
- 3,229㎡
- 施設構成
- ホール(多目的室含む)、共通ロビー、楽屋4室、交流室5室、ピアノ庫、大道具庫2室、ボランティア室、広場
- 収容人数
- ホール(541席)
施設種類
- 劇場
- ホール
- 会議室
業務領域
- 設計段階、施工段階
- 管理運営計画段階