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【リレーコラム】コラーレにて

「お客さんの希望には、なるたけ応えてあげたいんでねぇ。。。」

全てはこの言葉が物語っていた。入社して以来、はじめてと言っていい出張の行き先は、富山県黒部市。黒部市国際文化センター“コラーレ”だった。
「君たちはプロなんだから、先陣を切って、現場を仕切ってきなさい」そう命じられ、向かった先は立山連峰が見渡せるガラスを多く使った会場だった。富山の人は誇らしげに立山連峰の雄大さ、美しさを自慢してきた。富山の人には、立山の山々は無くてはならない存在のようだ。

冒頭の言葉は、到着して間もない我々に館内を案内してくれた職員の大野さんの言葉だ。ここでは、一般の事務作業から音響・照明・映像のテクニカル作業まで、一手に職員の方が請け負っている。分業制の我々からは頭の下がる思いだ。
夜になって、我々が手伝うイベントの実行委員=ボランティアの方たちが集まりだした。このイベントを企画・運営をするのは、この実行委員の方たちと、コラーレの職員の方々。ここまで半年を掛け準備してきた。今回が14回目のイベントだ。
簡単にお互い挨拶を交わすと、さっそく指示が飛んできた。何枚もの大型出力した写真を高さ5mの壁面にうまいこと繋がるように貼り出す作業だ。これがうまいこといかない。と書きたいところだが、実行委員の方々もこれが14年目の技。うまいこと繋がる。ふと、気が付けば作業をしているのは、実行委員の方だけだった。職員の方はと言うと、それぞれの担当の準備に余念がない。「先陣を切って仕切ってこい」と言われた現場は、明らかに足手まといにならないように、お手伝いをしている様だった。意気込んで行った割には、なんともお恥ずかしい限りだった。

設営

イベントが終わり、打ち上げの席で、どうしてこんなにもまとまりのある集団なんだと、質問してみた。失礼ながら、我々が想像していた職員と実行委員会の関係性・動きとは真逆の、統率の取れた動ける集団だったからだ。聞けば、職員の方は実行委員の人たちの「こうしたい」「こう考えている」に対して、ちょっとでも応えてあげたい。実行委員の方たちは職員の「こうしたいんだろうなぁ」を考えて先に行動するのだ、と答えてくれた。何のためらいも無く答えるあたりに、常にこの人たちはそう思って行動しているのだと、感心させられた。この何気ない思いやりの気持ちこそが、14年に渡りこのイベントを築き上げ、20年の“コラーレ”を築き上げたのだろう。

コラーレ

こうして年月が経ち、“コラーレ”も立山の山々のように、富山の人に無くてならない存在になっていくのだろう。